trans-kyushu

九州横断2008

2008年8月22日(金)

 往路は寝台特急を使った。絶滅寸前の東京口からの夜行寝台列車のひとつ、はやぶさ・富士号で小倉へ。B寝台ながら個室のソロを取った。開放型のB寝台と同じお値段と言うんだからこちらから埋まっていくのは当然のことだろう。ソロはほぼ満室だった。

 車掌が検札に来て、小倉から先のチケットも見せてくれと要求される。熊本行きの列車に乗っていて、真幸まで乗車券を持ちながら小倉で降りることに疑念を抱いたらしい。疑念を抱くのは無理もないが、小倉ではやぶさを捨ててソニック、リレーつばめに乗り換えないとその日の日程が組めない旨の説明をする。検札のあと、わたしのコンパートメントで軽く宴会をした後、就寝した。




2008年8月23日(土)

 翌朝、目を覚ますと山口県内を走っていた。外は雨。夜半から雨が降っていたらしい。予定通り小倉でソニックに乗り換える。何とも奇抜な内装だ。ミッキーマウスの耳のような背もたれをもつシートに座ろうと思ったら、もうすでに座っているヒトがいる。??と言う顔をしたのが相手に伝わったらしく、『あ、指定席お持ちですか?』それじゃあとやにわ席を立って別の席に移ってしまった。ここって指定席車両だよなあ?ずーずーしい人たちだなあと思っていたが、この列車は指定席車両でも席が空いていれば自由席券で座って良いらしい。JR九州恐るべし。

 博多でリレーつばめに乗り換え。つばめ号発車の間際にはやぶさが到着。(途中で抜いたのに気づかなかった。)方向幕に鹿児島中央行きと書いてあって少々混乱する。
 熊本で九州横断特急に乗り換える。この列車に人吉まで乗る。全然九州横断じゃないぢゃんと思ったら、大分→熊本→人吉と走るらしい。八代から肥薩線に入った列車は折からの雨で増水した球磨川に沿って右に左にカーブを切って登っていく。濁流渦巻く川でラフティングをしているのが見える。ダイジョブなのか?

 人吉に着くと隣のホームにすでに乗り継ぎの列車が入線している。観光列車いさぶろうというのがそれだ。外観からしてユニーク。車両中程が足元から天井にかけてパノラマウィンドウになっている。乗り込んでまたビックリ。レトロでウッディな車内。パノラマウィンドウの場所はカウンターになっていて立って景色を楽しむスペースになっている。なかなかお洒落だ。いさぶろうは熊本、宮崎、鹿児島の3県境を走っている。ループ線上のスイッチバック駅大畑(おこば)、D51が静態保存してある矢岳、と止まりこれまたスイッチバック駅の真幸(まさき)で下車。矢岳ー真幸間には日本三大車窓と言われる雄大な風景が広がっているらしいが、生憎の雨で展望がきかない。

 さて、真幸駅だが、着いてビックリ。待合室が地元の物産を売る売店になっている。駅員の詰め所だったと思われる部屋にもいろんなものが並べられてなんか高校の文化祭の展示みたいになっている。ここで時間を潰そうと思っていたわたしたちは予想外の展開に困惑する。やがていさぶろうは私たち以外のお客を再び乗せて峠を下っていった。地元のおばちゃんの輪の中にはいるのも気が引けて右往左往するばかり。それでも40分ばかりの時間を潰し、しんぺいと名を変えた同じ車両に乗り込むことになった。雲が幾分か高くなり、ガスも晴れて多少は展望が効くようになっていた。

 人吉まで戻ったわたしたちは今宵の宿に向かった。人吉駅から歩くこと数分。球磨川沿いの鍋屋本館に投宿した。歴史と格式はありそうだが、ちょっと老朽化が目につくホテルだった。が、食事は部屋食で美味しかった。お風呂は普通かな。眼下には球磨川が流れていたが増水していた。



2008年8月24日(日)

 翌日は取りあえず熊本へ。特急くまがわは九州横断特急の車両を使っている。熊本駅で列車を降りレンタカーを借りる。まず、熊本城へ。今年、復元した本丸御殿を見学。ま、それなりかな。お金をかけて作ってあるけど新しさ故か重みがない。むしろ、わたしには宇土櫓の方がお城らしくて良かった。
熊本城を後にして、この日の宿である黒川温泉に向かう。時間の都合で阿蘇は翌日に行くことにして、ミルクロード〜阿蘇スカイラインをを黒川へと急いだ。阿蘇の外輪山を走ったが、ここが意外に良かった。かぶと岩展望所で大休止。

 黒川温泉はひなびた温泉だ。お宿はホテル優彩。いくつもお風呂を持つお宿だ。黒川温泉は湯巡りが出来ることで有名だ。ここ優彩でも他のホテルのお客さんを受け入れる風呂があるが、泊まり客だけのお風呂もある。ホテルは温泉場の一番上流側にある。夕方、温泉街?をそぞろ歩いてみた。温泉中央付近には両側にお店の連なる通りがあった。この界隈の雰囲気が実に温泉場らしくて好ましかった。川沿いの道も風情がある。派手さはないが静かな風情が落ち着いていて良い。今年の春に行った城崎温泉の賑やかな温泉場の趣もいいが、何もない湯治場然としたここのありようも好ましい。湯治場というには宿は近代的できれいだが。宿の屋上からは満点の星。少々肌寒かった。



2008年8月22日(月)

 この日は阿蘇に戻った。昨日の道を阿蘇外輪山まで戻り、そのまま盆地の底へを降りていく。そして、草千里へと登っていく道を辿る。草千里につく。博物館好きのわたしたちはまず阿蘇火山博物館へ。展示はそれなりだが、マルチスクリーンで上映される映像は古すぎないか?どーみても昭和50年代作成だ。そろそろ更新しませんか。

 次にオルゴール響和国。人数が少なくてじっくり見聞きできる。オルゴールは日本語とのこと。語源はオルガン。でも、何故、草千里にオルゴール?

 で、やっと草千里へ。目の前に見える小高い丘まで。牛馬放牧地ゆえうんちばかり。池にも。でも、のんびりと出来て爽やかだ。

 中岳に行こうとロープウエイ乗場に行くが風向きが悪いらしく入山規制中。断念。
 で、やまなみハイウェイで湯布院へ向かう。途中、偶然、大吊橋の看板を見かけて下りる。吊り橋は九重夢大吊橋と言うらしい。長さ390m、高さ170m。TVでも紹介されたらしい。渡るのに8分30秒かかった。わたしたちの降り着いたのはメイン側の渡り口ではなかったらしい。

 湯布院の宿は山水館。駅にほど近い。正面に由布岳が見える。由布岳を見ながら入る露天風呂もいい。夕食は部屋食ではなかったが、ゆふの里は個室になっていて良かった。料理も旨い。細かいこだわりがあるらしい。ビールはホテル製の地ビール。食事の後にも緑茶はとーぜんだ。



2008年8月26日(火)
 最終日は地獄巡り。せっかくだから湯布院の駅前通を経由して別府に向かった。つづら折れの山道を上り下りして別府に入る。海地獄を皮切りに10ばかりの何とか地獄ってのを回ったけど、正直、海地獄と血の池地獄と竜巻地獄の3つ行っとけばいいかなって感じだ。海地獄のわきに別府地獄組合事務所なんて看板がでかでかと出ていて笑った。

 さて、別府でレンタカーを返却。営業所が港の近くだったためにJRの駅まで送っていただいた。別府からは再びソニック号に乗車。1時間少々で小倉に到着。小倉で新幹線に乗り換え帰途につく。