london

倫敦再び

 この年の4月、職場が変わり、今まで不可能と諦めていた夏の海外旅行が可能になった。それでは、夏のヨーロッパに!、ということになった。あんまり慌ただしく動き回るのはイヤなので、訪問地はロンドンとその周囲だけに限定した。



 【7月23日(土)】
   今回は名古屋からのスタート。やはり空港は近いのがいい。でも、国際空港としてはちょっとさびしいな。今回もBA(英国航空)を使ったが、これは直行便で行きたかったことと、前回のロンドン行の時に発熱してお世話になったから。。。

 約12時間のフライトの後、ほぼ定刻通りにロンドン・ヒースロー空港に到着。到着時のロンドンは気温25度。300年ぶりの猛暑とのこと。(ホントか?)この国には冷房が普及していない。というもの必要になるほど暑くはならないのだ。が、地球温暖化の影響なのか、近年はかなり暑くなるとのことで、とりわけ今年は異常な暑さで、冷房化率も上がりつつあるとのことだった。われわれの止まったグローブナー=シスルホテル(THE GROSVENOR THISTLE HOTEL)も冷房はない。(一応4つ星なんだけど)。ま、それはいいとしても部屋の窓がちゃんと開かないのには閉口した。チルトしかしなくて、きちんとオープンしない構造の窓なのだ。天井から大きな扇風機がぶら下がっているが、これだけでは何ともならない。2日目の夜までは暑くてやりきれなかった。(今、ふと思ったのは、その時、何でクレームつけて他の部屋を見せてもらわなかったのか?う〜ん、考えもおよばなかったが、部屋を代えてもらうって手もあったんだよなあ(笑))

 2度目のロンドンである。夏は初めてだ。前回に来たときは12月で毎日毎日曇ってばかり。なんて暗い街なんだ、と思った。が、さすがに夏は明るい雰囲気だ。ツーリストも格段に多い。大通りで地図を開いていてもあんまり違和感を感じない。お上りさんばかりなのである。



 【7月24日(日)】
 さて2日目。(実質初日だが)とりあえずバッキンガム宮殿へ。夏の時期だけの特別公開を行っている宮殿内部の見学をする。ただ、チケットをなんで宮殿前広場を横切ったグリーンパークの一角で売るの?入場の際のボディチェックとか所持品チェックが厳しかった。デイパックのような背中に背負うものは持ち込めなかった。豪華絢爛ですな。何と言っても現役の宮殿ですからねえ。その後、衛兵の交代を見ようと前庭に陣取ったけど、定刻を20分過ぎても始まる気配がないので諦めた。衛兵の交代を諦めた我々はベーカー街に向かうべくグリーンパークを横切った。のんびりした雰囲気でいいなあ。(この日は日曜だった)地下鉄でベーカーストリートへ。取り合えずピザハットでメシ。なんかやたらでかいピッツァだったぞ。

 ニョーボのたっての願いでシャーロックホームズ記念館へ。よく考えなくてもホームズは架空の人物。コナン=ドイルがホームズを書いていた頃、ホームズの住所も架空ものだった。それが今では実在する住所になってしまった。この記念館は別の住所になるんで、これまた話しがややこしいが、しかし、ここまでやるか?って感じに当時のものを集めてある。ここにいるとホームズが実在した人物出会ったように錯覚してしまう。最上階のトイレが笑えた。

 お次もニョーボのたってのお願いでマダムタッソーの蝋人形館。並んだ並んだ。50分は待った。前回来たときよりも列は長かったかも?でも、あのときは寒くて並ぶ気がしなかった。さて、入って最初の部屋でわたしが知っている人はわずかだった。一番入口のシュワルツネッガーとサッカー選手の3人と千代の富士にセナだけ。後は知らない人ばかりで似ているのやらいないのやら。周りのイギリス人と思しき人たちの表情ではかなり特徴を捉えているらしかった。次の間は歴史上の人物で、ここは結構知っている人が多かった。まだ存命中だったダイアナさんが王族からちょっと離されてぽつんと置かれているのが印象に残った。今後はどんな風にするんだろうか?その次のホラーの間はあんまり覚えていない。途中で、よく遊園地にあるような乗り物に乗せられたのにはおどろいた。日本人は2人置かれいるんだが、吉田茂はいいとして、何で千代の富士?

 もう夕方である。そのままリージェント=パークへ。ぶらぶら歩いたりボートに乗ったり。結構、暑い。ホテルに帰ろうと思ったけど、ホテルはまだ暑いだろうとのことで、今度はハイドパークへ。(何やってんぢゃ)木陰のベンチに座っていると、寝ちゃいそうになるほど心地良い。しかし、日が長い。暗くなるのは8時頃だ。ホテルのあるヴィクトリア駅まではバスがあることがわかり、乗ることにした。初めてのダブルデッカー。もちろん、2Fに乗った!何かメシ食う気がしなくて、ヴィクトリア駅のコンビニエンスストアで買ってよしにした。(しかし、この店のものは高かった。おいしかったけど。)ホテルは、ヴィクトリア駅のスグ横。駅構内からそのまま入る入口もある。ヴィクトリア調のデザインのなかなか渋いホテル。前回よりもずっと良いホテルだった。

 

 【7月25日(月)】
 今日はコッツウォルズまでのバスツアー。前日に電話で申し込んでおいた。この日はバンクホリデーということで、(前日に予約する時に)ツアーが実施されるのかちょっと不安はあった。取り合えず、JTBのマイバスセンターへ。雨が降っていたのでタクシーで行くことにした。運ちゃんに行き先を告げるがイントネーションが悪いのか、発音が悪いのか伝わらない。しょうがないので住所を見せる。一瞥しただけで、「OK、乗れ。」と。そして、きちんと我々をバスセンターへ連れていってくれた。恐るべし、ロンドンタクシー。

   バスセンターに行くと日本人ツーリストであふれている。(って10人も入ればあふれちゃいますが。。。)ほぼ定刻にスタート。途中、なんたらホテルで10人ほど拾ってコッツウォルズに向かう。30分も走れば牧場の広がる農村の景色となる。牛や羊が草をはむのどかな景色だ。オックスフォードの近所のブレナム宮殿(ガイドのおねえさんはブレーニン宮殿と発音していた。Blenheim Palace)イギリス人のガイドさんが案内してくれて、それをロンドンから案内してくれている日本人のガイドさんが通訳してくれる。イギリス人の方の話すことを一生懸命理解しようとしたんだけど、ほとんどお手上げであった。悲しかった。日本に帰ったら駅前留学するか?相変わらず雨。

 続いていよいよコッツウォルズに入る。我々が寄ったのはボートン=オン=ザ=ウォーター(以下ボートン)。ここはちょっとした観光スポットらしく、多くのツーリストが押し掛けていた。広い駐車場もありツアーバスも数多く止まっていた。われわれはここで食事をした。たまたま、ガイドさんや運ちゃんと一緒のテーブルで楽しく食事ができた。この運ちゃんってば、髭もじゃの見るからに気のいいおやぢで、カールおじさんみたいだった。(この例えでわかるのか?)ボートンは、ボートン川の畔の街。古い町並みと川柳が絶妙のマッチング。古き良きイングランドがそこにあるのだろう。残念なことに時間に限りがあってあまり見て回れなかった。この後、バスで付近を回って、例の運ちゃんのお勧めスポットで写真撮影。コッツウォルズを堪能したとはとても言えませんが、その一端には触れられたか。

 ロンドンに帰る途中、Bicester Villageとかいうアウトレットビレッジに寄った。パンフレットには、ボンドストリートがなんちゃら村にやってきた!とかなんとか書いてあった。まあ、一流のブランド品がそこそこ安いんでしょう。事実、お客さんのほとんどは現地の方のようでした。けど、買い物には何の興味のないわれわれにとってはあんまりうれしくない。こんなところに寄るくらいなら、もっとコッツウォルズの村を回りたかったぞ!

 不覚にも眠ってしまい、目覚めるとすでにロンドン市内。ほどなくツアーは終わりを告げた。われわれは、そのままピカデリーサーカスの周辺をウロウロした。その後、ガイドブックにあった"ajimura"に向かったが、なんとお休みだった。(しかも、店の場所が違っていたぞ。>地球の○○方)しょうがないのでもう一度ピカデリーにもどり目に付いた日本食の"食堂"に入ってしまった。"HOTEI"って店で、まあまあ許せる味だった。この晩は多少涼しくなってきた。



【7月26日(火)】
 4日目。今日からロンドン在住の中村氏のエスコートしてくれる。10時にホテルのロビーで待ち合わせ。彼もグローブナー=シスルに部屋をとってわれわれにつき合ってくれた。なんとすでにチェックインを済ませた言う。

 取り合えず、ウェンブリースタジアムへいく。行きかたは調べてあったんだが、中村氏が確認してくれた。コンシュルジェのおにーさんの話しによると、「ジュビリーラインかメトロポリタンラインのウェンブリーパークで下りる。下りればわかるけど、もし分からなかったら、そのあたりを歩いているジェントルマン(男性)に聞けばわかる。」レディではだめなのか?そういえば、レセプションの女性はウェンブリースタジアムを知らないようだった。フットボール(サッカー)の国でウェンブリーを知らない人がいる、という事の方に驚いてしまった。さて、そのウェンブリーで今日はゲームの予定はない。要するにスタジアム見学に行ったのだ。フットボールに興味のない人には分からないかも知れないが、ウェンブリーは聖地なのだ。ホント言うとここでゲームを見たいんだが。。。

 さて、ウェンブリーパークで地下鉄を降りるともう聞くまでもない。あの2本の塔が正面に見えるのだ。歩くとなかなか遠い。スタジアムツアーは案内人に先導されて進む。まず、セキュリティシステム説明。スタジアムの外の道路も監視するようになっているのね。次はスタンドの最上段の席へ。さらに放送ブース、プレス会見の部屋、バスルーム、選手更衣室、と案内してくれます。更衣室にはイングランド代表のシャツがかかってました。そして、選手が入場するゲートからピッチへ。この時スピーカーから観客の歓声と歌声が流された。ん〜、なかなかの演出。最後はロイヤルボックスへ。ここでカップのレプリカ(FAカップ?)を掲げて記念撮影をさせてくれます。これまた、心憎い演出。ウェンブリースタジアムがフットボール(アソシエーション、ラグビー)以外のコンサートなどのイベントにも使われるとは知りませんでした。ドッグレースなんか開催されると言うことです。そういえば、ピッチのまわりにわずかにトラックがあるんですね。(土ですが)われわれが行った日には、イベントの片づけをしていました。全部がイス席。すべての席に屋根がある。いいですね。羨ましい限りのスタジアムでした。

 スタジアムを後に次には、ウィンザー宮殿に行こうってことになりました。とりあえずバーガーキングでメシ。って昼飯はファーストフードばかりだなあ。ウィンザー宮殿に行くにはパディントンからBRに乗らなくてはいけない。

 この国では列車が何番線から出発するのか直前にならないとわからないらしい。何番線から発着するのか時刻表に書き込んである国から来るとえらい面くらう。これは飛行機とおなじようにテロ対策なのか?中央の掲示板を黙って見上げている様は結構滑稽だ。その上、改札口というものがない。(地下鉄にはありました。)われわれの乗る列車は快速列車でスローで乗り換える。番線表示が出たので5番線ホームに向かう。列車に乗り込んで、車内の行く先と停車駅を表示する電光板を見ていた。ところが、スローがでてこない。隣の客もおかしいと気づいたらしく、電光板を見ながら困ったような顔をしていたであろうわたしに声をかけてきた。「この列車@@(駅名失念)(行きなのか?」、と。さらに困っているわたしにかわって中村氏が「そのはずだ。コンコースの表示板には5番線と出ていた。」と。気づくと他の客も混乱している様子。ホームでは男性客が車掌さんかなんかを捕まえて何やら話していた。どうやら、車内の表示が間違っていたらしく、ほどなく車内表示も正しいものに代わった。

 イギリスでは発車のベルも構内放送もない。車内放送もなかったように思う。やはり、30分も走ると牧草地が広がる。日本では東京から新幹線で30分走っても家また家の風景だ。浜松だと30分走ると山だったりするケド。(この際、関係ないな)40分ほどでスローにつく。ここで乗り換え。乗り換えた列車は5分1駅でウィンザー(正確にはウィンザー&イートンセントラル駅)についた。ウィンザー城は、現国王エリザベス2世の居城だ。駅は改装中だった。ともかく城に向かう。さすがに綺麗だ。この日は女王陛下がいらっしゃるようで塔のポールにユニオンジャックが翻っていた。(在城の際には国旗を掲揚するらしい。)そのため、見学できる範囲が半分になってしまっていた。現役のお城ですからロンドン塔とは違う。遠くイートン校も見える。ウィンザーの街は正しく城下町。メインストリートは綺麗に整備されていた。なかなかこぎれいな街であった。

 来たルートでロンドンに帰った。夕食は中村氏のお勧めのタイ料理の店。ホテル=リッツのすぐ近所。バンコクといったかな。やはり辛いが、まずまずの味であった。やっと、涼しくなった。



 【7月27日(水)】
 ストーンヘンジに行くことにした。ここはちょっと遠い。ウォータールー駅から2時間ほど。駅に行くとわれわれの乗りたいエクスター行きの列車は出たばかり。次の列車まで1時間もある。しかたないんで駅の構内をぶらぶらする。ユーロスターの発着ホームは日本の新幹線みたいに別の改札が設けてありました。さすがに国際列車の発着する場所とあって、チェクインカウンターとかがあって警備は厳重だった。でも、EU加盟国の国民ならパスポート提示は必要ないんですよね?

 さて、発車時間が近づいてきたので、われわれも現地の人たちと同じように掲示板の前でぼーっと待つ。昨日乗ったパディントンからの車両と同じような塗装の列車。そういえば、すべてディーゼル動車だった。牧草地の中を淡々と走る。低くうねる丘をいくつも超えながら進んで行くが、山と呼べるものは1つもない。1時間ほどでソールズベリに着く。ここでバスに乗り換えだ。バスは駅前から出る。なんとダブルデッカー。しかも、飛ばす飛ばす。2Fは苦手という中村氏に従って1Fに乗って良かったかも。20分ほど走ると牧草地の中に林立する奇妙な石群が現れる。駐車場はクルマでいっぱい。結構なにぎわいなのである。入場料を払って!見学に行く。トランシーバーのような形の解説機(無料)を借りていく。英語版はもちろん、フランス語・ドイツ語・イタリア語・日本語版などがあった。解説はあんまりよく理解できなかったなあ。訳が悪いのか?う〜ん。そもそも、誰が何のために作ったのか分からないんだからなあ。晴れていて良かったかな。(どおゆう感想ぢゃ。)
 ストーンヘンジをあとに、再びソールズベリに戻る。中村氏が知人に「ソールズベリに行ったら大聖堂に行って見ろ」と言われたとゆうことでソールズベリ大聖堂へ。駅からぶらぶらと歩く。15分ほどか?大聖堂に着いた。なかなかの聖堂だった。塔が高い。中はシンプルだが歴史を感じる。日本語のガイドが用意してあって驚く。帰りがけに、これまた知人から聞いたという喫茶店?に行く。ケーキがおいしくて、この街の住民なら知らない人はいない、ということだった。地元の人と思しき人を捕まえて聞いてみると、う〜ん、1人目でわかってしまった。Michael Snell Tea Roomという店だ。ソールズベリに行ったら是非行ってみて欲しい。チーズケーキは秀逸である。「これがチーズケーキをいうものか、われわれが日本で食べているチーズケーキって一体なに?」って思うこと請け合いである。

 イングランドの田舎町はなかなかいい雰囲気ですね。わたしは、静かなこの街がすっかり気に入ってしまった。町なかのインフォメーションで帰りの列車の時間を調べて駅に向かった。イングランドでは鉄道の駅は、どうやら町外れにあるらしい。

 ロンドンに帰って食事に行く。初めて足を踏み入れたソーホーだが、いやあ、にぎやかだなあ。通りにまで客があふれかえっている店もある。歌舞伎町界隈のノリか?しかし、あんまり遅くまで居てはまずそうな雰囲気だな。お店はの"BLUES"っていう店。地中海料理ってことだったが、ウェィティングバーにあふれかえる若者にちょっとビビるが、奥へ入っていくと、落ちついた雰囲気のレストランスペースがあった。ちょっと安心。ただ、まだ時間的に早いのか、食事をしている客は1組しかいない。この国では、夕食は7時半とか、8時くらいから始まるらしい。最初静かだった店内も帰る頃にはほぼ満席状態となっていた。



 【7月28日(木)】
   実質的に最終日となった。午後は買い物にあてるとして、午前中はセントポール寺院に行った。アングリカンチャーチ(英国国教会)の本山である。地下鉄のセントポール駅のアナウンスで気づいたが、『スンポール』(ポにアクセント)って感じの発音だ。カタカナ表記の日本語って良し悪しだなあって思う。あと、いくらきれいに発音してもアクセントが違うと分かってもらえない、ということもわかってきた。逆に言うと、多少妙な発音でも(ノバのスズキさんみたいでも)アクセントさえちゃんとしていれば分かってもらえそうな気がする。でも、地名とかって困るんだよね。辞書にも載ってないし。

 で、その『スンポール』なんですが、中央のドームに上れるんです。登ろうか、ってことになって、入口でチケットを買おうとした。ドーム入場券OKのとドーム入場不可のと、チケに区別があるらしい。中村氏がまとめて買ってくれたが、やりとりを聞いていて首を傾げてしまった。中村氏が、大人3枚、って言うと、ゲートにいたチケット係りが「?」という表情をして、わたしとニョーボの方に視線を投げて、「この二人もアダルトか?」って聞いているようです。中村氏が「そうだ。」と答えると、くだんのチケット係氏は、ちょっと考え込んだあげくに「ファミリーチケットがある。これなら、one adult & two childrenが1枚のチケットで入れる。」とか言っているらしい。よくわかんないけどファミリーチケットで入ることになった。?である。オレたち大人に見えないって事??ま、いっか。

 さすがに国教会の本山。豪華である。華麗である。厳かである。王の即位式なんかをやるらしい。そういえば、今は亡きダイアナ女史とチャールズ皇太子の結婚式もここでやったんじゃなかったか?(関係ないけど、チャールズって名の王族はよくよく人気が無いらしい。チャールズ1世なんて処刑されちゃってるもんね。)

 さて、ドームだ。なんでも550段ほどの階段があるらしい。めまいがしそうだ。最初は1段が低くて楽勝ムードだった。しかし、左捲きの螺旋状態の階段が延々と続き目がまわりそうだ。そのうち階段が狭く、1段も高くなってくる。で、鉄製の階段となる。建物の内側なのだが結構高度感がある。中段で一端外へと出る。再び内部に入って急な螺旋階段を登るとやっと最上部の回廊に登り着く。いや〜、絶景。最初にここに来れば良かったかなあ、と思う。太陽は出ているが、風は肌寒い。

 さて、セントポール寺院を後にロンドンダンジョンにむかう。地下鉄を降りるとなんと滝のような雨が降っている。目が点。ぢもとの人たちは驚くふうでもなく小止みになると傘もささずに街に消えていった。傘をさすのはツーリストばかり。しばらく雨止みを待ってダンジョンの行列にならんだ。ここは以前に一度見て居るんだが、ニョーボがもう一度見たいっていうので来ることにした。行列を整理する係員がおどろおどろしいメークをしているのには笑えた。中に入って気づいたのは展示がリニューアルされていたこと。中に入っても列をなして歩かされたこと。お化け屋敷風の乗り物までできていたこと。切り裂きジャックの話しとかはそのままでしたけど。

 ダンジョンを後に、さて買い物。わたしは、サッカーシーンに行きたかったので、ニョーボと分かれてそこに向かった。パルマのユニが欲しかったが、サイズが・・・。全体的にでかいんだなあ。代わりに、すんでのところでイングランド代表ユニを買ってしまうところであった。(笑)店内にはわたしの他にも日本人がいたぞ。その後、リバティの前で待ち合わせてリージェント=ストリートをブラブラ。今日の夕食のためにネクタイを買った。Fortnum&Masonでお茶してお土産を少々買った。

 さて、着替えのためホテルの部屋に帰って驚いた。スーツケースがないのである。盗難?手違い?ニョーボは焦りまくっている。ま、荷物が無くても日本には帰れるけど、シャツがないと食事に行けないぞ。。とか結構のんきだった。中村氏にも手伝ってもらって、取り合えずレセプションで聞いてみる。レセプションではわからないと言う、つれない返事。こりゃだめかなあ。それでも、ポーターに聞いてみてくれという言葉を頼りにコンシュルジェへ。行ってみると、なんとわたしたちの荷物があるではないか!ポーターに聞いてみたが、荷物を運んだ者がいないのでわからないが、あなたがたのものであれば持っていってくれ、とのことだった。この日、日本人ツアーの一組が帰国の日になっていたようなので、間違って運び出されたものらしい。ことによるとヒースローまで行って帰ってきたのかも知れない。まだ、2つ3つ荷物があったぞ。誰か焦りまくってるんぢゃあないかなあ。ともかく、戻って良かった。帰ってこないことも覚悟していたのだが。やれやれ、これで心置きなく食事に行ける。ところが、一難去ってまた一難なのである。

 夕食は、ウォールトンズ(Waltons)というお店でとることにしていた。ニョーボが財布を欲しいとかで、とりあえずハロッズへ。さすがは世界のハロッズ。すごいぞ。でも、わたしゃ何にも買わなかった。それではメシぢゃ。
 中村氏が予約をしてくれたウォールトンズは、きちんとしたイングリッシュレストランのようだ。地球の○○方には高級レストランと分類されていた。ハロッズから歩いて行かれる距離だそうだ。15分くらい歩いたかな。このあたりのハズだが。。。というあたりにそれらしいレストランは見あたらない。見落としたか?ってことになり元来た道を引き返してみるが。。。はやりない。しかたなく、客を降ろしたばかりのタクシーを捕まえて聞いてみる。運ちゃんによると、
「あの突き当たりの左側でさぁ、だんな。」
ってことなんだが、その突き当たりからくまなく捜しながらきたんだな。
「だからぁ、あの突き当たりから捜しながらここまで来たんだ。なかった!!」
と、中村氏が食い下がる。運ちゃんのもっている地図を見ながらあーだこーだ言ってると、
「だんな方、乗んなせえ。連れてってあげまさあ。」
ってなワケでのっけてもらって地図上にウォールトンズと書かれている住所へ。ところが、そこにあるのは寿司バーなのである。
「こんな店ぢゃあない。イングリッシュレストランだ。」
と中村氏。
「だんな、この住所ですぜ。。。。。お待ちなせえ。ちょっくら店で聞いてきまさぁ。」
運ちゃんは寿司バーに入っていった。しばらくして帰ってきた運ちゃんの言葉は、我々を唖然とさせるに十分なものであった。
「だんな方、ウォールトンズは去年の12月にクローズしたそうでやす。」
「そ、そんなハズはない。お、お、おととい予約を入れたんだ。なんかの間違いだ。」
中村氏の声がうわずってきた。
しかし、言い争っていても仕方がない。ウォールトンズはないのである。
別のレストランに行くより仕方がないようだ。
「ウォールトンズのことはあきらめました。ところで、このあたりで他にイングリッシュレストランはないですか?なくなってしまったウォールトンズのようなところがいいんですが。。。」
と中村氏。
「わかりやした。」
運ちゃんはおもむろにクルマをスタートさせた。2〜3分走って、こじんまりとしたレストランの前で止まった。中村氏が中に入って交渉してくる。今すぐなら食事されてくれるとのことで、なんとかメシにありつけることになった。イングリッシュ=ハウス(The English House)という店である。運ちゃんにお礼を言って(もちろんお代も払って)中に入った。

 1Fのテーブルは全部埋まっているとのことで2Fの小部屋に通された。エクストラチャージはいらないとのことであった。一息ついたところで、ウォールトンズもどきの予約のキャンセルをしなくてはなりません。中村氏が、階下で電話をしようと立ち上がったところにボーイさん(って言うのか?)が入ってきた。一瞬考えた後、中村氏は、ウォールトンズがなかった話しをしはじめた。黙って聞いていた彼は、その店の電話番号を聞いてきた。中村氏が番号を見せると、
「これは、ここの番号だ。」
我々が絶句していると、
「あなたはMr.Nakamuraか?」と。
「そうだ。」と中村氏が答える。
「Mr.Nakamuraの名で1Fに席を取ってある。」と。。。
 その後の話しの中で、ウォールトンズとイングリッシュ=ハウスは同じ経営者の店で、実は去年の12月にウォールトンズは閉めた、と言うことがわかった。(さらにもう1つ系列店があるらしい。)中村氏は、電話の相手をウォールトンズと疑わずにイングリッシュハウスに予約を入れてしまったらしい。しかし、こんな偶然があるの?もちろん、1Fの席はキャンセルして2Fを使わせてもらった。そんなワケで、各種ガイドブックに書かれているウォールトンズ(Waltons)はすでに存在しませんので、ロンドンでイギリス料理を食べよーって予定のある方は注意してね。(そんなたくさんいるとは思えないが。。。)
 ところで、イングリッシュ=ハウスの食事はおいしかった。紅茶も美味しかった(今回の旅行中一番美味しい紅茶だった。)。メニューが手書きというのが凄かった。落ちついた雰囲気で、ここはお勧めです。
 食事が終わってホテルまでの帰り道、外は肌寒かった。ロンドンの暑い夏も終わったらしい。


 【7月29日(金)】
 帰国の日である。もうどこにも行かれない。3日間つき合っていただいた中村氏に丁重にお礼を言ってわれわれはヒースローに向かった。空港は世界各地からの人々でごった返していた。やっとチェックインを終えて出国ゲートへ。BA利用のわれわれは、ターミナル4を使える。話しによると、ターミナル4の免税店は充実しているらしい。実は、前回もターミナル4を使ったハズなのだが、発熱で倒れていたわたしはここでは何もできなかった。聞いていたほどではなかったが、かなりの充実だった。少なくとも、わたしの知っているどの空港より素晴らしいものではあったが。帰国便は当然のように日本人ばかり。往路で一緒だった阪急旅行社の添乗さんの顔も見えた。(美人だったぞ!)


 【7月30日(土)】
 定刻より若干早く名古屋に着いた。日本は暑い!そして、眠い。
 やはり、ヨーロッパは夏に行くものなのか。日も長いし気候もいい。ロンドンの夏はツーリストに優しい。