iseshima

イルカと鮑と赤福と

 20年ぶりに伊勢・志摩に行った。

 2週前に行く予定であったが、わたしが靱帯を伸ばしたために後ろにずれた上、クルマで行くことになった。そこで、伊勢湾フェリー(伊良湖〜鳥羽)を使った。

 遠州地方(静岡県西部地方)からだと伊勢湾フェリーは重宝である。少々揺れるが、ま、それも1時間のことだからなんてことはない。(冬の季節風吹きすさぶ中、黒潮をあらう八丈島に行ったことを思えばね。)

 さて、初日は取りあえずお伊勢さんへお参り。おかげ横町なんてのが出来ていてビックリ。伊勢うどんをくっていると、横町の一角で太鼓の演奏が行われた。なかなか勇壮である。駐車場が込んでいてクルマを入れるのに30分以上かかってしまって大変だった。

 思いの外時間がかかってしまって、どこにいくにも中途半端。考えあぐねて(いつも行き当たりばったりなんだな。)大王埼までドライブ。パールロードをひた走って17時頃に着いた。岬自体は大したことないんだけど、周囲の雰囲気が四半世紀前の観光地の雰囲気。岬の灯台までの狭い坂道の両側にびっしりと土産屋が並ぶ。しかも、おしなべてひなびているんだな。そういえば、灯台の周りってこおゆう感じのところが多い。

 泊まりは鳥羽の扇芳閣。鳥羽の街を見下ろす高台にある。たぶん全部の部屋から海が見えるんじゃないかな。お風呂も展望風呂。雨が降ってしまったんで露天風呂には入らなかった。食事も美味しかった。実は、今回のニョーボのたっての願いは『アワビのステーキを食べたい!』であった。ものすごい贅沢なことなんだが、旅行に来ると気分がでかい。時折利用する浜松のイタ飯屋のディナーが2回行けそうなお値段であった。値段のせいでは無かろうが美味であった。アワビが食べられないわたしでも美味しく頂けた。ところで、夕食は部屋まで運んでくれた。きょう日これは贅沢なことだな。部屋・風呂・食事とも満足のいくものだった。

 ところで、鳥羽市はずいぶん小さな街だなと感じた。全国区の街でしかも"市"だから。。。帰ってきて調べると人口は2万6千ほどしかいない。なんだか納得してしまった。



 翌日、雨だった。晴れたらもう一度パールロードを南下してパルケスパーニャに行くつもりだったが、雨なので断念。迷った末、イルカ島へ行く。この手の施設として、鳥羽界隈では鳥羽水族館が一番有名。通が行くという二見シーパラダイス。でも、われわれは敢えてイルカ島(笑)。イルカ島では名前の通りイルカを飼育していてショーも見せてくれる。また、アシカのショーもある。ここに行くには船に乗っていくしかない。(島だから当然だが、所要は15分ほど)佐田浜港から鳥羽湾内の遊覧船に乗って行ってイルカ島で降りる。島全体が園地になっていて、船着き場の一部がすでにゲートだ。われわれは入園券を買ってしまったが、よく見ると船のチケットの脇に入園券が付いていた。ショック。園内にはいると、ん〜一昔前の観光施設の風情。ちょっとしょぼくれた感じだが、ニョーボはこおゆうところが大好きだ。彼女の言葉を借りると、『温泉ブーム以前からの観光地』ってコトらしい。船が着くとスグにイルカのショーが始まるが、観客は数えられるほど。10人ほどか。拍手もまばらでうら寂しい。調教のおにーさんや、おねいさんはもとより、イルカ君も気合いが入らないに違いにない。

 やや、投げやりなショーが終わると、イルカタッチというイベント。ま、イルカに触らせてくれるんだな。これはなかなか無いことなので触らせていただくことにした。集合時間ぎりぎりにお願いしてまぜてもらった。8番と9番の番号札を貰った。後で気づいたことだが、イルカにさわれるのは1回につき10人まで、1日3回しか行われないので、30人までということになっている。とりあえず、イルカのプールの脇の小部屋で長靴に履き替えてプールサイドへ。プールに突き出したプラットホームにあがって触らせて貰う。3〜4人一組である。調教係のおじさんがイルカをプラットホームのあがらせて、それをわれわれがおっかなビックリ触ることになる。分厚いゴムみたいな感触で、やわらかいけど弾力がある。魚のような生臭さはない。

 さて、お次はアシカのショー。なんとリフトに乗った島野頂上付近に飼育施設とショープールがある。すでに始まっていたが途中からでも十分楽しめた。これはイルカのショーでも感じたことだが、ここではショーに使う彼らに関する解説を細かくしてくれるのが好ましい。アシカとアザラシの違いとかイルカとの違いとかも説明してくれる。芸をしてくれたのは1頭だけだったが、工夫が見られて充分に楽しませてくれた。気が付くとお客さんがずいぶん増えていて、30人ほどはいたかな。

 展望台などに登ってのんびりしていたら船に乗り遅れてしまった。ので、2回目のイルカショーを見た。今度は先ほどの数倍以上のお客さんで、1回目は人が入らないらしかった。イルカタッチの2回目も満員御礼だった。

 さて、鳥羽まで帰るのだが、湾内の遊覧船が寄港しているため真っ直ぐ佐田浜港に帰ってくれない。のんびりと答志島あたりを遊覧し、ミキモト真珠島に寄っての帰港となるので35分ほどかかる。この時の船には、船上バーベキューの一団が乗り込んでいてたいそう賑やかだった。

 昼食は、鳥羽駅近くで"てこね寿司"を食べた。鉄火丼のようなものだな。でも、なかなか美味であった。土産を買いに赤福のお店に。伊勢に来たら赤福は外せない。御福ではイケナイのだ。赤福氷というもあるらしいが、お腹がなんなのでパスにした。(ニョーボは不承不承だったが)ただ、いつも思うんだが、少々量が多い。我が家なんかでは8個入りとかもらっても食べきれなかったりするのだ。ところが、流石にご当地。3個入りという少な目のものがあったのだ。これは福音だ。

 さて、お次は海の博物館へ。再び島方面に向かって走り料金所のゲートをくぐったちょいと先。海に向かって降りて行くと木造の倉庫のような感じの建物が現れてくる。なかなかこった作りになっている。過去から現代にいたるまでの、海に生きる人々の生活を紹介する博物館だ。清水にも同様の海をテーマにした博物館(フェルケール博物館)があるが、こちらは商港としての海が主体であるのに対して、海の博物館は漁民たちの生活をメインに据えている。時間の関係で最後は端折ってしまったが、じっくり見たいところである。

 実は、ここまでで時間切れであった。伊勢〜志摩の間にはまだまだ見所がいっぱいある。ま、ゆーめー所には行ってないんだけどね。。。