今年も年末は富良野へ。今年も掲載場所は国内旅行の項だ。
富良野へは10回目となる。まあ、良くも飽きずに通ったもんだよ。
今年は全国的に暖かく、北海道の上川地方も例外ではないらしい。積雪は1mほどもあったが、近隣のスキー場は軒並み雪不足で営業できないでいたようだ。我々が富良野に到着した27日、富良野や旭川では雨が降ったらしい。この時期の雨はあり得ない話とはお世話になっているスクールのT山センセの話だ。
12月27日(水)
さて、今回のわれわれの富良野行はトラブルから始まった。
今回も中部国際からの出発だったわけだが、空港までのアクセスをe-WINGと呼ばれる遠州鉄道のアクセスバスを利用することにしていた。某旅行会社に手配して貰ったチケットには浜松駅BT(バスターミナル)8時45分と印刷されていた。われわれは25分ころにバスターミナルに着いた。その時ちょうどe-WINGが出発するところだった。『あれっ?』そんなに頻繁にバスが出ているのかな?確認の意味でバス停の時刻表を見てみると8時台は25分発しかない。次は9時15分発だ。これではわれわれの乗る便には間うか微妙だ。かみさんがチケットを持ってターミナルの案内所に行っている。その間に善後策を考える。かみさんによると8時25分発のバスの乗車名簿にわれわれの名があったそうだ。9時15分発に変更してくれるという話だったが、バスはキャンセルして新幹線+名鉄特急でアクセスすることにした。
名古屋まではこだま号で向かい、名鉄名古屋駅からミュースカイで中部国際へ。こだま号に乗ってから1時間半で着いてしまうのだが、お値段も張るのよ。e-WINGの3,000円に対して、新幹線+ミュースカイの5,500円。ま、ともかく無事に空港に到着した。
今回は中部国際→新千歳→富良野というルートを往復することにした。効率が良くないルートなんだが、旭川便もいろんな事情から使うことが出来なかった。
当日は二つ玉低気圧が日本列島付近を通過中だった。中部国際空港ではわれわれの出発のころは低気圧はすでに通過後で、冬型の気圧配置に移りつつあり強風が吹き荒れていた。我々の乗る全日空705便の機材はB737-700。しかも金色の塗装が施された通称金鯱号(写真)。主に国際線で使われているが国内線でも使っているらしい。新千歳空港への着陸も強風の中でかなり揺れた。
ここからはバスでの移動だが、出発時間までには1時間以上の時間があった。とはいえ、どこかに行くわけにも行かず到着ロビーでぼーっとしていたが、まわりは日本語じゃない言葉を話す人ばかりでこここは中国か!と思うことしきり。で、バスの集合場所に行ってみると今度は欧米か!って状況だったよ。特にニセコに行くバスは8割以上が外国人だった。たぶん、"day"をダイと発音する連中じゃないかと推測した。われわれの乗る富良野行きのバスにも2組4人ばかりの英語圏の外国人がいた。
バスはほぼ満席の状況で、富良野に入るメインルートは新千歳からのバスなのかと思わせるものがあった。いつもの旭川経由だとバスはいつでもガラガラだ。バスは空港を出ると南に進路を取った。昨年の復路に乗ったバスが取ったルートと同じルートを辿るもののようだ。つまり、日高道〜日高国道〜富良野国道とたどって南から富良野盆地にアクセスするわけだが、これがノーマルルートの模様だ。
バスは雨の中を出発した。この時期の雨は千歳でも珍しいハズだ。昨年同様に平取町の二風谷(にぶだに)ドライブインで休憩。なんと駐車場がこんなに広かったのか!とビックリ。昨年は大雪で駐車場が狭くなってしまっていたようだ。その後、日高国道を占冠あたりまで進んだところで雪になった。富良野到着時も雪。ホテルにも中国語が溢れかえっていた。21時、ホテル前の寒暖計の目盛りは+0.5°。"からまつ(12Fの和食レストラン)"の北海ちらし丼が北海ちらし重になって少々お値段が高くなっていることにかみさんが気づいた。
12月28日(木)
今日もスノーボードに専念。気温が高く暖かいのは良いが雪質が良くない。八ヶ岳界隈のハイシーズンのような雪。堅い雪で筋力を要求される。ケガをしそうで、プリンスゲレンデのみ。昼ころ世話になっているT山センセに遭遇。無料アドバイス(笑)をちょうだいする。かみさん共々、直そうとしてボロボロの滑りになったのは内緒。めげたかみさんが上がった後、一人で滑っていると、ペアリフトでいきなり同乗を強いられてビックリ。ガラガラのリフトなのに何で敢えて同乗してくるのか?と、その同乗おやじが話しかけてきた。「今日の雪はどうなんですか?」と。そこでわたし。「ここ10年来、この時期に毎年来ていますが、今日は一番酷い部類に入りますね。」と答えておいた。その後、リフトを降りるまで世間話。降りて気づいたが、彼には2人の連れ(奥さんとこども)がいて、効率よく、乗るために同乗してきたものと見えた。
夜の気温は-2°。夜半前から雪になり数センチは積もった模様。
12月29日(金)
この日はかねて予定の旭山動物園ツアーに行った。昨年のホテル主催のツアーとは違って、a-tour(全日空系ツアー会社)に頼んでおいたものだ。従って、バスは空港とホテル街とを往復するバスに同乗と言うことになる。ホテルを9時半過ぎにスタートし、北の峰地区のホテルをまわり、旭川空港に寄ってから動物園に向かったために動物園到着は11時を少し回ったころだった。ペンギンのお散歩は11時からと14時半からだから、1回目のは間に合わないかも知れないと思っていたが、散歩の後半には間に合いそうだった。到着したが昨年とは入場する門が違いお散歩コースからは遠い。昨日の雨で溶けた雪が凍ってつるつるになった道に足を取られながらもなんとか間に合った。しかし、今年は雪が少ない。
去年はペンギンとその周辺しか見てこなかったため全貌が分からなかった動物園も、今年は入場したゲートが違っていたことと、今年は他の動物もちゃんと見たのでほぼ全貌を掴んで帰ってきた。チンパンジー、オランウータン、白クマ、ペンギン、ゴマフアザラシのもぐもぐタイムなど。
ホテルに帰ってきて、"森の時計"という昨シーズンから営業を始めた森の中の珈琲屋さんで珈琲を飲んで、ニングルテラスでお買い物をした。夜の気温は-8°。少しずつ気温が下がってきた。
夜、チャングムの総集編にはまって深夜まで見てしまう。
12月30日(土)
この日はゲレンデで滑走。少し入り込みは増えているようだ。雪は28日よりはましになったが、この時期の富良野の雪として及第点はあげられまい。ただ、気温は下がってきている。かみさんは午前中で上がってしまい午後から一人で滑ることになったので、ロープウェーに乗って上部ゲレンデに行ってみた。さすがに上の方は雪が良かった。しかし、ロープウェー終点からホテルまでのダウンヒルは堪えた。寄る年波には勝てないよ。プリンスロマンスリフトのコースまで降りてくるころにはヘロヘロだった。
この夜はチャペルコンサートを聴きに行った。この日の出演者はLes.R(レ・アール)という女性のデュオ。透き通ったハーモニーは美しかったが、どこかで聞いたことのあるような声質でインパクトに欠けた。メジャーになるには何かもう一つ無くてはならないような気がした(とーしろが生意気だが。)。気温は:9°まで下がってきた。夜半より雪が降り始めた。またしてもチャングム。
12月31日(日)
今日が最終日。のんびり食事をして荷造り。10時半のバスで往路と同じ道を新千歳に向かった。占冠までの峠道で対向車がほとんど無かった。このあたりに住んでいらっしゃる方はどんな理由でこの北の大地に住むようになったのだろう、と考えてしまった。人が住む環境としては厳しい環境だろうが、何を思ってこの地に暮らしているんだろう。
幌尻あたりに廃線後ではないかと思しき構造物が続いていたが何だったのだろう。ひょっとして未成線だったのか?後で調べてみようと思う。何度も言うが今年はホントに雪が少ない。昨年見た風景とはかなりの違いだ。日高道あたりでは周囲に雪がなかった。ただ面白いのは、苫小牧付近から北に向かい始めると千歳が近くなるにつれて雪が多くなっていくことだ。定刻よりも少し早く新千歳空港に到着した。今日は天気も良い。飛行機が飛ばないかも知れないなんて心配はしなくてもすみそうだ。と、この時は思っていた。
まずは昼食。去年と同じラーメン屋街の別の店でみそラーメンを食す。その後、空港内をぶらぶらした時間を潰す。時間が迫ってきたので搭乗口に進む。ゲート前のベンチでアニメ声の女の子を発見して注目。彼氏連れでめちゃめちゃ甘えていてこっちが恥ずかしくなるくらい。搭乗すると彼女たちはすぐ後ろのシートだった。前は富良野からのバスでもすぐ前に座っていた家族だった。機材はB737-500だった、-700だと思いこんでいたんでちょっとがっかり。でも、これも初めての機材なのでまあよし。
わたしは例によって"翼の王国"を読んでいたが、
「当機はまもなく離陸いたします。今一度シートベルトをお確かめ下さい。」のアナウンスで顔を上げた。
機は誘導路から滑走路へ出るところだった。滑走路に出た機は一旦動きを止めた。ややあって、エンジンのうなりが大きくなり、やがてゆっくりと滑走を始めた。体にGがかかって・・『あれ?』気のせいか加速Gが小さい。初めて乗る機材だからこんなものなのかなと思っているといきなり減速を始めた。なんと離陸を中止してしまった。かみさんと顔を見合わせる。キャビン内には安堵とも緊張とも言えないような不思議な空気が流れた。そう時間をおかないでCAからのアナウンス。
「キャプテンからの報告によりますとコクピット内の計器に異常が認められたため離陸を中止いたしました。ただいま、整備スタッフと連絡を取り合っております。」と。
しばらく誘導路に止まった後に再びCAのアナウンス。
「整備スタッフとの話し合いの結果、一旦駐機場に戻って整備をすることとなりました。」との説明にざわめく機内。
そして、駐機場に到着する寸前に今度はキャプテンからのアナウンスが入った。
「エンジントラブルで離陸を中止いたしました。整備に要する時間がわかりませんので機を乗り換えていただくこといたしました。当機は3番スポットに駐機いたしますが、荷物をすべてお持ちいただき、一旦降機していただきまして、6番スポットの機材に乗り換え下さい。出発は17:00の予定です。」と言うような内容だった。
続けてCAからの連絡があり5番カウンターで食事代(1,000円)を受け取ってくれと。
結局、われわれが搭乗したANA714便は、どんな風にやり繰りしたのか分からないが、機材(機種はB737-500のまま)を交換し、約1時間30分のディレイを生じたものの17:25に新千歳空港を離陸した。今度は何の問題もなく中部国際空港までわれわれを運んでくれた。やれやれ、やはりわれわれにとって、新千歳空港は鬼門じゃなかろうか。
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